中国明代の武術古典を読む。「初伝」=肉体鍛錬の秘訣、「中伝」=攻防の秘訣、「奥伝」=精神を養う秘訣。
心身のバランスを保ち、大宇宙や内的世界との調和を目指す、君子の武道、修練のための秘訣集。
【内容】
真の武術の姿とは、他者を倒すことを目的とするのではなく、他者との和合、自分の心身との和合をめざすもの。武術の修練を通して自分と向き合い、自然と対話をして、人生の限りない楽しみを得る。
目次
第1章 初伝篇
(中段は構えの王である;徒手で武器を使う;術と共に法を練る ほか)
第2章 中伝篇
(入身は危険を恐れてはならない;正しい身法によって心や手足も正しく使えるようになる;心が鎮まらなければ、自在に技を使うことはできない ほか)
第3章 奥伝篇
(技の本質を知らなければならない;技の名にとらわれ過ぎてはならない;円滑なる四肢の動きから強さが得られる ほか)
著者プロフィール 清水 豊(シミズ ユタカ) 1960年生まれ。十代より八卦拳、楊家太極拳、合気道、大東流、新陰流、立身流などを修行する。また中央大学、国学院大学大学院で神道の研究を行う(専攻は思想史)。大学院在学中から植芝盛平の神秘思想に関する論文を多数発表。著書に『太極拳秘術』『植芝盛平の武産合気』(共に柏書房)『古事記と植芝盛平──合気道の神道世界』〔ビイング・ネット・プレス〕などがある。 |