古事記と植芝盛平　　神仙道と植芝盛平

「むすび」の武術と植芝盛平
合気道・太極拳・八卦拳

著者／清水　豊
定価=1995円（1900円+税）
四六判　ソフトカバー　250頁

古代の武術は、争いの武術ではなく、相手の心を和ませるものであり、
霊的なものと物的なものとをむすぶものであった。
「むすび」の武術である合気道・太極拳・八卦拳の姿を紹介するとともに、
武術と古事記に登場する神々の世界との関わりを読む。

【内容】
1
大東流柔術
刀八毘沙門天に出会う／不可思議な武術・大東流／合気之術と柔術、合気柔術／九字の結界をはる／秘術のネットワーク／刀八毘沙門天というシンボル／抜刀術と合気
天の御中主の神
時を操る「中」の秘儀／円環する「時」／琵琶湖での出会い／天照大神の「力」／虚と実の「力」／「裏」神道／建速須佐の男の命の秘儀／カーラチャクラと六字河臨法
天之叢雲九鬼さむはら龍王
神のお使い／龍の力／三輪山での霊示／顕界、幽界、神界の浄化／「速玉」を開く／顕界、幽界、神界の禊／封印された神
一霊四魂三元八力
「いつ」の記憶／荒々しき「いつ」の力／「いつ」を開く道／魂のバランス／失われた「両儀之術」／「船」の秘術／安曇の教え／闇の力・八力
天の浮橋
天の沼矛／つながる「響き」／見えない強さ／祭祀としての武術稽古／還虚合道という道／周天と円環／聖なる槍の記憶
2
合気道
「和」の武術／植芝盛平の葛藤／鎮魂としての武術／「勝速日」を開く／十種の神宝の教え／相抜けの夢／相抜けの「稽古」／力のイメージ・神位
合気之術
大東流と合気道の「合気」／宇宙と一体となる／「勝つ」ことを忘れる／臂力と呼吸力／合気之術と両儀之術／和合と当身／究極の英知を得る／宇宙的思索のツール・合気之術
勝速日
王道を復興する／禊の力／月の水／双魚図／クラオカミ
呼吸力
呼吸力と通臂功／呼吸投げと当身／真剣勝負での悟り／変化の「機」を知る／建速須佐の男の命の呼吸／塩盈つ珠と塩乾る珠／武産合気／封じられた王道
言　霊
「ミコト」を得る／虚空の記憶／言霊と呼吸／「むすび」を得る

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		神仙道と植芝盛平合気道と太極拳をつなぐ道教世界著者／清水　豊定価=1995円（1900円+税）四六判　ソフトカバー　270頁

			太古において精神と肉体はひとつのものであった
			合気道と太極拳をつなぐ神仙道の世界を読み解くことから、植芝盛平の神秘思想の核心に迫り、植芝盛平が目指した精神と肉体の合一の秘訣を探る。道教の重要な経典であるにもかかわらず、今までわが国ではあまり紹介されてこなかった『陰符経』を通して、合気道と太極拳が道教を通してどのように繋がっているのかを紹介する。また、合気道の開祖植芝盛平と神仙道とのかかわり、植芝が人々に伝えようとしたものは何だったのかを探る。


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	【はじめにから】　わたしは八卦拳や太極拳、合気道の今日的な展開として身心の安定と開放があると考えている。かつてこれらは闘争の手段として練られていた時期もあった。また健康法として、あるいは精神的な行法として修されたこともあった。しかし、今日において最も重要なことは肉体（格闘術）と、精神（宗教）をひとつにした神秘学としての修錬ではないかと考えている。これを植芝盛平は「第二の岩戸開き」と言っている。太古において精神と肉体はひとつのものであった。しかし、「第一の岩戸開き」において精神と肉体は分離され、ここに人類は文明の急速なる進歩に向かう端緒を得たのであった。しかし、高度に分離された精神と肉体は現在先進国とされる国々では多くの問題を生み出している。そして、その問題はそのまま発展途上の国々へも波及しているのである。　ここに我々は太古から秘教結社の中で継承されてきた肉体と精神の合一した文化を改めて見直す必要があるのではないか、と考えるのである。