湯浅泰雄全集
  監修/太田富雄 定方昭夫 渡辺学
     倉沢幸久 黒木幹夫
  第17巻  第16巻  第15巻  第13巻   全巻一覧
補巻
   晩年の思索と補遺
  

現代世界が直面するモラルの衰退と人間性の危機を克服すべく、心の深みに分け入り、人生の意味を問う。哲学者湯浅泰雄の思索の成果を収録。

40頁
 定価9,720円(税込)



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目次
中国の気功研究の状況 18
現代的観点から東洋医学の身体観を考える 37
気功学の身体観 66
身体──東アジア (『岩波哲学・思想事典』より)
人体科学の歴史と展望
人体科学の将来を考える──科学方法論と無意識の心理学──
現代人のたましいを問うユング心理学
哲学の誕生──男性性と女性性の心理学
序論 人間存在の自己矛盾
第一章 古代における哲学と心理学 
第二章 意識の発達史
第三章 哲学誕生
第四章 理性と霊性
第五章 男性性の帝国
第六章 神の女性性
終章 霊性問題のゆくえ
人間精神と魂の危機を乗り越えて──アフガニスタンに思う
「死」を見つめて生きる──「生老病死」を考える
いのちを哲学する──心と身体を結ぶもの
風土と人生──自然と心を結
解説 本書とそれを超えるもの  渡邉学

 第十五巻
   心身論(2)
  

西洋近代が分離してしまったこころとからだを、
東洋的身体論を通して新たな理論的統合の道を探る


640頁
 定価10,260円(税込)



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目次
1

現代科学と東洋的心身論/討議 気・心身一如・二元論の超克/身体の宇宙性/東アジアの哲学と科学における気の身体観/気の身体論/身体の宇宙性──東洋
2
宗教経験と身体/身体と間身体関係/主体的身体と客観的身体──哲学と科学の間──/宗教経験と身体

解 説 渡邉 学

東洋の哲学的伝統にみられる心身論の理論的パラダイムは、西洋とは非常に異なっている。そこでは、「心身一如」の状態が実践的訓練の目標とみなされてきた。「心身一如」という言葉は、心と身体が不可分な関係にあるということを、単に理論的に説いているわけではない。ここでは、理論的考察に先立って、まず実践的な心身の訓練によって意識の高い変容状態を経験することが要求されている。別な言い方をすれば、われわれはまず、日常的経験の場で常識
が前提している心と物の区別を暫定的に承認しておく。(中略)しかし、実践的訓練を通じて達成される高い意識変容の経験においては、もはや二元的パラダイムは妥当しなくなるだろう。それとともにおそらく、認識における主観客観の区別も意味を失なってしまうだろう。要するにここでは、実践にともなう二元性の経験から一元性の経験への認識のしかたの変容が説かれているのである。(「現代科学と東洋的心身論」より)

 第十七巻
   ニューサイエンス論
  デカルト以来の物心二元論克服への提言 

640頁
 定価10,260円(税込)

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目次
1.『科学の逆説』 序/二十一世紀のパラダイム・シフトを求めて/『生命と宇宙』 序/生命体としての宇宙/『ニューサイエンスと気の科学』 序/ニューサイエンスの構図と波紋/『身体から精神への架橋』 序/精神の領域と身体はいかに関係するか/『科学と宗教の回路』 序/記号と象徴における意味の探究
II .宗教と科学の間──共時性・超心理学・気の科学 
?.
共時性の種々相/現代科学のパラダイムと内なるコスモスの発見/現代科学のゆらぎと東洋の知/臨死体験の討論をめぐる考察/人体科学と超心理の問題/アインシュタインとベルグソン、ユング──時空統合と心身統合の関係─/科学・人間性・倫理 (その一)(その二)/霊性と科学のゆくえ──「愛の喪失の時代」を考える──/霊性問題の歴史と現在/科学と霊性の交流時代へ/日本人のスピリチュアリティ/共時性からスピリチュアリティヘ/年譜/略歴/  解説 倉澤幸久

 第十六巻
   気の科学
「気」の研究がもたらす歴史的意義を考察する 全十七編

712頁
 定価10,260円(税込)

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目次
気の科学/現代における気の研究の意義/日中協力シンポジウム「気と人間科学」共同覚書/気とは何か/宇宙と交感する─気の世界観─/気の思想と人間観/気の科学と人間観/気について
II 共時性をめぐって /ユングの共時性をめぐって/共時性の心理と気の考え方について/共時性の宇宙観/現代社会と共時性の問題─その歴史と将来を考える─/ユングとパウリの出会いが意味するもの─往復書簡集をめぐって─/共時性をめぐる謎─ユングと物理学者パウリの出会い─/共時性の謎をめぐる再論─『易経』とユング─/解説 定方昭夫

気』 「超常現象の基礎には未分化な原始感覚としての共通感覚の問題があるのではないか」という指摘は「考えながら書き、書きながら考える人」である哲学者湯浅ならではの卓見ではないかと、高く評価したい。

『共時性』 超心理学は長らく超常現象の存在の有無の証明にエネルギーの大半を費やしてきた。湯浅はこのテーマのジャーナリスティックな取り上げ方を厳しく批判し、『共時性の宇宙観』第五節「共時性と超常現象」で次のように述べる。「超常現象を見る場合は、それが客観的事実であるかどうかという問題だけでなく、人生を生きていることにかかわる意味や価値の観点からも考えてゆく必要がある」という見方は、「人間はどうあるべきか」を考える倫理学に長らく携わってきた湯浅による頂門の一針と言うべきものである。(「解説・定方昭夫」より)


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第十三巻
   日本哲学・思想史(?)

和辻哲郎 を どう読むべきか 
今日的な意義を識る 全九篇


577頁 定価9,720円(税込)
目次より
和辻哲郎研究の視角/和辻哲郎の日本思想史研究の方法--日本精神史から日本倫理思想史へ/和辻倫理学とアリストテレス--民族性・倫理・心理/ポスト・モダンの時代と和辻哲郎/和辻倫理学の遺産と課題 --風土・身体・芸術/和辻哲郎--近代日本哲学の運命【序.回想の和辻哲郎 1.村の子の孤独 2.あれかこれか−美と倫理の間に 3.日本回帰の道 4.アカデミズムの異端 5.ヨーロッパの旅 6.マルクス主義とナショナリズム 7.戦争と文化 8.天皇制論争 9.太平洋戦争とは何か 10.和辻倫理学 11.日本思想史における近代 結び.晩年 和辻哲郎略年譜】
解説 湯浅泰雄における『和辻研究』の意味  黒木幹夫
本巻は湯浅自身にとって、特別の意味を有している。それは、師としての和辻哲郎の存在によってこそ、哲学者としての湯浅泰雄が形成されてきたからにほかならない。和辻哲郎に対する湯浅の立場は、湯浅自身による次の言葉にありありと示されている。「要するに、和辻さんを通してはじめて哲学の世界に入門したといってもいい」。「私の今の気持としては、和辻学の成果を吸収しながら、その足りないところをいかに克服するかという点に、自分のこれまでの歩みがあったようにも感じています」。実はこの「歩み」は、本解説が明らかにするように、湯浅の晩年まで継続されることになる。
(解説「湯浅泰雄における『和辻研究』の意味」 黒木幹夫 より)
湯浅泰雄 略歴 (1925〜2005)
福岡市生まれ。太平洋戦争末期の1945年4月、東京帝国大学文学部国史学科入学。陸軍に召集され、8月豊橋第二予備士官学校にて敗戦を迎え、9月復学、日本の古代史と神話を学ぶ。1947年より倫理学科に転科、和辻哲郎から哲学と日本思想を学び、1949年卒業。1952年東京大学経済学部に学士入学、1954年卒業、大学院修士課程に入学、近代経済学を学び、1956年卒業。同年、文学部[倫理学研究室]助手となる。
1961年より学習院高等科[社会科]教諭、1966年より山梨大学教育学部[哲学・日本思想]助教授、1974年教授。1975年より大阪大学文学部[大学院日本学]教授、1979年度インドネシア大学客員教授。1980年より筑波大学[哲学思想係]教授。
1984年日仏国際シンポジウム「科学技術と精神世界」企画委員長、1987年4月〜9月北京日本学センター客員教授、1988年日中国際シンポジウム「気と人間科学」実行委員長。1989年より桜美林大学国際学部教授。
1991年人体科学会創立、以後、この学会の会長、副会長などを務める。1996年桜美林大学大学院教授、1998年退官、同大学名誉教授。
2005年11月5日逝去。
湯浅泰雄全集は従来白亜書房より刊行されておりましたが、白亜書房の廃業により、第13巻「日本哲学・思想史6」から弊社ビイング・ネット・プレスが刊行することとなりました。また、それに伴い、全巻の構成・造本・体裁等に変更がございます。当初第1期・第2期を合わせまして全21巻・別館1の予定でございましたが、全17巻、補巻1巻となり、クロス装・箱入りがカバー巻き上製本となります。

全巻の内容 定価(税込)
第1巻 経済倫理・職業倫理
倫理思想史
8,100
倫理学と経済学の接点 経済人のモラル 変革を迫られる伝統的経済倫理 ヘーゲルにおける倫理の問題 倫理学と存在論のかんけいについて ほか
第2巻 宗教哲学・宗教心理学 9,180
宗教経験と倫理の問題 空海における神秘思想と倫理 聖なるものと人間の生 宗教と人間 修行と修法の歴史心理学 瞑想と哲学 ほか
第3巻 西洋精神史(1) 8,640
ユングのグノーシス観 ヨブ記における神と悪魔 ユングと異教的なるもの ユングにおける神話と宗教 ユングとキリスト教 ほか
第4巻 西洋精神史(2) 9,180
人間と真理 実在主義と精神分析 メタ・フィジカとプシキカ 精神医学と現象学的方法 深層心理の現象学ノート 近代ヨーロッパの光と影 ほか
第5巻 東洋精神史(1) 7,560
空の倫理とヘーゲル弁証法 良心と無意識 唯識論と深層心理学 比較思想研究の方法としての深層心理学 道教の深層心理学的研究の方法 ほか
第6巻 東洋精神史(2) 8,640
ユングと東洋 

第7巻 東洋精神史(3) 6,480
玄奘三蔵……はるかなる求法の旅

第8巻 日本哲学・思想史(1) 7,020
倭人伝論争の批判 初期大和朝廷の建設過程に関する一考察 上代国家における道徳教育 古代の思想と文化 古代国家の道徳教育 古代仏教の展開 ほか
第9巻 日本哲学・思想史(2) 8,100
地霊と英雄 日本神話の一考察 神々の誕生 歴史と神話の心理学 日本思想史の歴史心理学 かたち 天皇像の変容 神話の心理学から見た古代王朝 
第10巻 日本哲学・思想史(3) 6,480
平安仏教と鎌倉仏教 道元・親鸞における日本的ー実在的なもの 親鸞断想 仏教的人生観と芸道 平安京の新しき世界 ほか
第11巻 日本哲学・思想史(4) 9,180
実在哲学と近代日本の文学 日本における西洋近代思想の受容 近代的自我への再検討 実在哲学と日本人のものの考え方 ほか
第12巻 日本哲学・思想史(5) 9,180
三木清の「基礎経験」について 近代日本哲学における理想と身体の問題 死における存在 精神風土と文化 東洋的思想と西田哲学 ほか
第13巻 日本哲学・思想史(6) 9,720
和辻哲郎研究の視角 和辻哲郎の日本思想史研究の方法 和辻倫理学とアリストテレス ポスト・モダンの時代と和辻哲郎 ほか
第14巻 心身論(1) 9,180
東洋の心身論について 仏教における身体論の諸問題 東洋宗教の心身論 東洋の身体論をめぐる諸問題 東洋の身体論と現代 ほか
第15巻 

心身論(2) 10,260
現代科学と東洋的心身論 東アジアの哲学における気の身体論 気の身体論 身体の宇宙性 精神の領域と身体はいかに関係するのか ほか
第16巻  気の科学 10,260
気の科学 現代における気の研究の意義 気とは何か 宇宙と交感する 気の思想と人間観 気の科学と人間観 ユングの共時性をめぐって ほか
第17巻 
ニューサイエンス論 10,260
21世紀のパラダイム・シフトを求めて 生命体としての宇宙 現代科学のパラダイムと内なるコスモスの発見 現代科学のゆらぎと東洋の知 ほか
補巻
晩年の思索と補遺 9,720
哲学の誕生 ほか

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