『日本人の動物観 −変身譚の歴史』
著=中村禎里(立正大学名誉教授)
定価=2940円(本体2800円税別)
四六判 ハードカバー 336頁
解説=横山章光(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)
●蛙が立派な青年に、野獣が王子様に変身する西欧の童話と、鶴が女房になって恩返しする日本の昔話とには大きな違いがある。
●日本ではヘビやキツネ多くの動物が人間に変身できるし人間の子も産む。しかし西欧では魔法や呪いで動物におとしめられていた人間が元の姿にもどるだけで、もともとの動物はけっして人間にならない。
●動物に対する感じ方考え方はその国独自の歴史の産物であり、現状を理解し将来を見通すためには、過去にむかって流れをさかのぼってみなければならない。
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アニマル・セラピー、ペットロス、動物愛護、
現代日本で動物問題と向きあう人の必読書!
目次より
序 章 日本人とヨーロッパ人の動物観 
  『グリム童話集』における変身
  『日本昔話記録』における変身
第一章  神話の世界 
  トヨタマヒメ型の変身譚
   動物から人への変身/ワニとヘビ/トヨタマヒメ型異類婚姻
   譚の起源/白トリから人ヘ
  オオモノヌシ型の変身譚
   オオモノヌシ型とトヨタマヒメ型/針糸型の異類婚姻譚と三
   輪山の神/ヘビ神はなぜ忌避されたか
  人から動物への変身
   変身の意味−−疎外・昇華・加害・利便・授益・正体顕示/
   動物神の盛衰/ヘビvsシカ・イノシシ
第二章  仏教思想の浸透のなかで
  ヘビとキツネ
   オオモノヌシ型神婚譚の零落/トヨタマヒメ型神婚譚の陸封化
   /トヨタマヒメの後裔としてのキツネ/日本古代のキツネ観
  死を媒介とした変身
   畜類償債譚/ヘビ身の受苦/人への上昇
第三章  中世説話とお伽草子類
  オオモノヌシの後裔
   雄のヘビ/タヌキの登場/シカ・イノシシ・サル/ネズミとガン
  トヨタマヒメの系譜
   雌のヘビ・カメ・ハマグリ/ツル/稲荷のキツネ/狐妖とキツ
   ネ妻/結論
  死後転生譚の拡張 
   生きたままの上昇変身/死後ヘビ転生譚の新しい流れ/ウシ・
   ウマ・トリ・ムシなど
第四章  近世の怪異譚 
  キツネ・タヌキ・ネコ
   タヌキとネコ/キツネとタヌキ
  オオカミ・カワウソ・クモその他
  死後転生譚の後退
第五章 古代・中世・近世説話と現代の昔話
  通婚と報恩を中心に
   トヨタマヒメからヘビ女房へ/オオモノヌシからヘビ聟へ/狐
   直の始祖からキツネ女房へ/タヌキ・ネコ・オオカミ/サルな
   ど/カメ・ハマグリ・ツル・クモ
  疎外と昇華を中心に
   上昇と疎外/その他の変身
 
復刊によせて 「時代がこの本を必要としている」 横山章光
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