子どもが動物をいじめるとき
動物虐待の心理学

著/フランク・R・アシオーン(ユタ州立大学教授)
訳/横山章光(帝京科学大学アニマルサイエンス学科助教授)
定価=本体2400円+税


★陰惨な事件報道の中、犯人の動物虐待歴が語られる。
「動物を虐待する子ども」が、「対人暴力をする大人」につながって
いくと感じさせられる。それは本当なのだろうか。
★『子どもの思いやりの発達』を研究していたアシオーンは「ペットを
虐待する被虐待児」より、
「ペットを慰めにする被虐待児」がはるかに多いことを知る。
どこでこの二者が分かれるのだろうか?


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アシオーンのすごいところは、膨大なデータを集め、それでものを言うことにある。この本は、教育、獣医学、心理学、司法関係など、人間や動物すべての専門家、そして親、一般の方のバイブルである。莫大なデータ、微にいり細にいる説明、豊富な引用とともに、古い文献から心理学的考察・症例・分類・介入・治療・連携まで、ことさらばらばらになりがちな幅広い内容を、じつにみごとに組み立て、読むものをぐいぐい引き込むが、それらの細かい枝分かれの元にある大木を常に感じる。その大木とは、愛されるはずの者に虐待される「悲しさ」、虐待という行為への「静かな怒り」、そして「子どもを守りたい」という強い思いである。【訳者/横山章光】
目次より
第1章 子どもと動物−興味からはじまり、虐待にまで至る
  科学的な興味の兆し/動物福祉と人間福祉/子どもと動物
第2章 子どもと動物に関する科学的研究
  発達心理学と心理療法/ボリス・レビンソンの築いた重要な基礎/ペットが死ぬとき
第3章 故きを温ねて新しきを知る
  子ども、女性、動物への暴力の「再発見」/子ども時代の「一段階」か、それとも重大な前兆か?/動物虐待の定義/動物虐待の判定
第4章 動物虐待−過去に戻り、未来を見る
  研究の復興/子どもの身体的虐待とネグレクト/小児の性的虐待/家庭内暴力
第5章 重大な疑問−なぜ動物は虐待されるのか?
  動物虐待をする成人の動機/動物虐待をする子どもや青少年の動機
第6章 子ども、動物、そして共感性−感情の共有は攻撃や暴力への防衛手段なのだろうか?
  人間と、人間でない動物の感情/乳幼児の共感性―思いやられることによって思いやりを学ぶ/就学前の向社会性行動/学齢期と青年期
第7章 動物虐待、暴力行為、そして行為障害
  暴力的犯罪者/行為障害
第8章 小児の身体的・精神的虐待と動物虐待
  体罰/身体的虐待/情緒的・心理的虐待
第9章 性的虐待と動物虐待
  子どもと性的行動―なにが正常か?/トンプソン一家/メアリー・ベルの一生/動物への性行動
第10章 家庭−避難場所か、それとも目をおおいたくなる場所か?
  家庭内暴力の頻度は?/危機状態の、人間とペット/動物を残していくという恐怖/小児期・青年期の複合的虐待
第11章 防止と介入−期待できるプログラムと粘り強い挑戦
  「ペットの安全な避難所」/政策との連携/評価と治療/専門家のトレーニング
帝京科学大学
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アシオーン講演ツアーのようすは
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